こんにちは！ 八王子市-健にこにこ歯科・矯正歯科の新藤です。
今回は、IPRについてご説明したいと思います。IPRとはInterproximal reduction (IPR) の略で、隣接面の削減を意味します。このように、歯と歯の間を削る行為を、IPRの他に、似たような言葉で、ストリッピングあるいは、ディスキングと呼ぶこともあります。
IPRは、一般的に0.2～0.5㎜の範囲で歯を削ります。エナメル質の範囲で行われるため、歯の寿命や健康に問題ない範囲内となっています。また、過去の研究結果よりIPRにより歯が悪くなったり虫歯になったりするという報告はありません。
インビザラインでは３Dのシュミレーション（クリンチェック）で、ほとんどの場合、術前にIPRの量を決めますので、計画期に、最善のタイミングでIPRを行うことができます。
IPRの目的
1) 歯を並べるための隙間を作る
主に叢生（ガタガタの歯並び）を治すためにIPRを行います。
2) 上下左右の歯のサイズバランスを整える
上下顎の歯の大きさのバランスが適切でないと、咬み合わせが悪くなったり、審美的に問題がおこる場合があります。バランスを補正するためにIPRを行います。ボルトン分析の値を参考にします。（下の絵のように下顎の歯の大きさが大きいと判断された場合は、下顎のIPRの量が多くなります。）
3) ブラックトライアングルの解消
IPRにより、歯と歯の距離が近くなるため、ブラックトライアングルが改善します。
4) 歯と歯の接触が「点」から「面」になり、歯並びの安定性が増す
矯正治療後の歯並びの後戻りを予防します。下顎の前歯などで特に有効です。
